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日本ヴァレリー研究会ブログ Le vent se lève
ヴァレリーやマラルメ、サンボリストにとどまらず、文学一般、哲学・音楽・美術・映画から世界の姿まで、古き問題と最新の話題をめぐり多様な人々が集う場…... 風よ立て!……
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アラン・コルバン編『雨、太陽、風——天候にたいする感性の歴史』(小倉孝誠監訳、小倉孝誠・野田農・足立和彦・高橋愛訳、藤原書店、2022年) / 安達孝信
本書は、Alain Corbin (dir.), La pluie, le soleil et le vent. Une histoire de la sensibilité au temps qu’il fait(Aubier,...
2023年1月28日読了時間: 7分
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ヴィリエ・ド・リラダン『残酷物語』(田上竜也訳、水声社、2021年)/ 中筋 朋
はじめに——ヴィリエを翻訳するということ ヴィリエの作品を訳すときの難しさのひとつに、バランスがある。風格と読みやすさのバランス。「語り」のような雰囲気から来る推進力がありながらも一筋縄でいかないヴィリエの文章は、ただ平易に訳すだけでは取りこぼすものが大きい。ヴィリエ、いや...
2022年6月17日読了時間: 20分
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『GRIHL II 文学に働く力、文学が発する力』(文芸事象の歴史研究会編、吉田書店、2021年11月)刊行に寄せて / 嶋中博章
本書のタイトルにある「GRIHL(グリール)」とは、1996年に歴史家で社会科学高等研究院(EHESS)の研究指導官クリスチアン・ジュオーと、文学研究者でパリ第三大学教授アラン・ヴィアラ(2021年6月没)を発起人として発足したGroupe de Recherches...
2022年2月6日読了時間: 10分
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『ルソーと方法』(淵田仁、法政大学出版局、2019年)/ 菅原百合絵
「渋沢・クローデル賞」奨励賞を昨年受賞した本書において、著者である淵田氏は「ルソーの方法」ではなく「ルソーと方法」こそが主題なのだと幾度か強調している。一見戸惑うような助詞の選択だが、著者の問題意識が丹念に記述されている序論を読むうちにその意味は感得されてくる。評者なりの言...
2022年1月8日読了時間: 12分
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声の交差点——エドゥアール・グリッサン『マホガニー——私の最期の時』書評 / 福島 亮
風の交差点で、数々のつぶやき声が書かれた記号にまとわりつき、 その記号は悲痛な行列となって木の実や羊皮紙のうえに並んでいる。 (『マホガニー——私の最期の時』) この果てしない海のように吹きわたる風に一度は溺れてみるんだな…… (『第四世紀』) 0. はじめに...
2021年12月14日読了時間: 30分
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『加藤周一を21世紀に引き継ぐために』(三浦信孝・鷲巣力編、水声社、2020年)/ 岩津 航
本論集は、2019年9月に日仏会館と立命館大学で開催された生誕百周年記念の国際シンポジウム講演録である。立命館大学加藤周一現代思想研究センター長の鷲巣力と日仏会館顧問の三浦信孝の両氏の編集によって、総勢25名の論考や証言が集められている。事情があって当日参加できなかった私に...
2021年5月19日読了時間: 8分
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他者の痛み:『愛のディスクール──ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(森本淳生・鳥山定嗣編、水声社、2020年)/ 伊藤亜紗
『愛のディスクール』を読んで感じた率直な感想は、ヴァレリー研究者としての戸惑いである。私は文学研究ではなく美学の立場からその芸術論を中心にヴァレリーについて研究してきたので、このような伝記的な事実については知らないことばかりだった。もっとも、冒頭に記されているように、本書は...
2021年5月19日読了時間: 16分
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『愛のディスクール──ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(森本淳生・鳥山定嗣編、水声社、2020年)/ 田上竜也
かつて厳格な主知主義者と目されていたポール・ヴァレリーの精神世界において、波乱にみちたエロスの劇が重要な役割を果たしていたことが知られるようになって久しい。近年、遺族によるプライバシー管理がいくぶん緩やかになったことにともない、ヴァレリーが女性たちに宛てた書簡を中心とする資...
2021年5月19日読了時間: 22分
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事実と虚構の境界──ジャン=マリー・シェフェール『物語の変調──物語プロセスの新たなアプローチのために』/ 久保昭博
2020年に出版された最近の著作(Jean-Marie Schaeffer, Les Troubles du récit : pour une nouvelle approche des processus narratifs, Thierry Marchaisse,...
2021年4月4日読了時間: 18分
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イヴァン・ジャブロンカ『歴史家と少女殺人事件 レティシアの物語』(真野倫平訳、名古屋大学出版会、2020年)/ 嶋中博章
「レティシア・ペレ、1992年5月4日ナント生まれ、ラ・ベルヌリー=アン=レーにあるナント・ホテルのウェイトレス。彼女は2011年1月18日から19日の夜にトニー・メイヨンによって誘拐され、強姦され、殺された」。これはウィキペディアに掲載された≪Laëtitia...
2021年2月1日読了時間: 8分
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ジャン=リュック・ナンシー『モーリス・ブランショ——政治的パッション』(安原伸一朗訳、水声社、2020年)/ 上田和彦
本書は、Jean-Luc Nancy, Maurice Blanchot— Passion politique, Galilée, 2011を、ブランショのとくに両次大戦間期に詳しい安原伸一朗が全訳し、詳細な註と解説を付したものである。原書は、モーリス・ブランショがロジェ・...
2020年12月13日読了時間: 10分
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Jean-Luc Nancy, La Jeune Carpe (1979)/ 鳥山定嗣
ジャン=リュック・ナンシーは風変わりな「哲学者」だ。単に「詩」を書くからというだけではない。ルクレティウスからニーチェまで古来より名高い「詩人哲学者」は存在する。だが、詩人の作品――それも500行以上に及ぶ長篇詩――のパロディを手がけた哲学者は他にいるだろうか。ナンシーが異...
2020年10月11日読了時間: 12分
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ジャンセニスム 論争からみた歴史記述の可能性:書評 御園敬介『ジャンセニスム 生成する異端』(慶應大学出版会,2020)/ 野呂 康
本書は2020年,第37回渋沢・クローデル賞奨励賞を受賞した作品である.まずは,フランス語圏に関した学術成果に対して与えられる,我が国で最も映えある賞の一つを受賞されたことにお祝い申し上げたい[1]. 実際,本書は本当に素晴らしい.読書中に思わず嘆息を漏らしたのも一度や二度...
2020年9月5日読了時間: 49分
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ブアレム・サンサール『ドイツ人の村 シラー兄弟の日記』(青柳悦子訳、水声社、2020年) / 石川清子
イスラーム救国戦線(FIS)の総選挙勝利をきっかけとする1990年代のアルジェリアは「暗黒の十年」と呼ばれる壮絶な内戦時代だった。日本人を含め、在アルジェリア外国人がいっせいに国外退去したことを記憶に留めている人もいるだろう。複数のイスラーム過激集団による血腥い暴力の応酬の...
2020年9月1日読了時間: 7分
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森本淳生/ジル・フィリップ編『マルグリット・デュラス 〈声〉の幻前 小説・映画・戯曲』(水声社、2020年) / 郷原佳以
「幻前」とは聞き慣れない日本語である。本書は小説、映画、戯曲を貫いてデュラスにおける独特な「声」を追究しようとする論集だが、その声は「幻前」するものであるという。もともと2018年にフランス語で行われたコロックを元にしているので、フランス語版(『Zinbun』第50号)を参...
2020年8月7日読了時間: 9分
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原大地『ステファヌ・マラルメの〈世紀〉』(水声社、2019年)/ 松浦菜美子
本書は19世紀後半のフランス詩人ステファヌ・マラルメ(1842-1898)が自らの時代との交渉の中で「いかにして詩人たろうとしたのか」(p. 11)、その歩みを描き出す試みである。初期の1860年代と詩人が円熟の域に達した90年代とをつなぐ時期として、著者はマラルメ中期と呼...
2020年5月26日読了時間: 6分
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「組み立て」小説の面白さ:小柏裕俊『モンタージュ小説論――文学的モンタージュの機能と様態』(水声社、叢書《記号学的実践》、2019年)/ 大浦康介
本書はモンタージュという手法に焦点を絞った小説論である。「○○小説論」が面白いことは稀だが、本書は読む者をわくわくさせる。それはおそらくモンタージュ小説そのものが「遊び心」に満ちているからである。それはまた、けっして単純とは言えないその構造を噛んで含めるように解説する著者の...
2020年5月25日読了時間: 6分
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小倉康寛『ボードレールの自己演出──『悪の花』における女と彫刻と自己意識』(みすず書房、2019年)/ 森本淳生
本書はシャルル・ボードレール(1821-1867)の詩集『悪の花』(初版1857、第二版1861)に収録された諸詩篇を、「女と彫刻」を切り口としながら、自伝とも虚構とも異なる「自己演出」の試みとして読み解くものである。著者がなによりも注目するのはボードレールの詩篇がしめす意...
2019年12月26日読了時間: 7分
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ジャン=マリー・シェフェール『なぜフィクションか?──ごっこ遊びからバーチャルリアリティまで』(久保昭博訳、慶應義塾大学出版会、2019年)/ 立花史
文学、マンガ、映画、アニメ、ビデオゲームに対して、歴史上、幾多の“有害論”が巻き起こった。1999年に出版された本書は、そうした有害指定対象を、プラトン以来のミメーシス概念にさかのぼりつつフィクションの名の下に擁護している。ビデオゲームとフランス古典悲劇の両方を、同列ではな...
2019年12月2日読了時間: 4分
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佐野泰之『身体の黒魔術、言語の白魔術──メルロ=ポンティにおける言語と実存』(ナカニシヤ出版、2019年)/ 森本淳生
本書はフランスの哲学者メルロ=ポンティの初期から中期までの思想を「言語」とりわけ「文学」の問題を中心に考察し、真理を語る哲学者の「生」とは何かを探求したものである。メルロ=ポンティの文学者や画家に対する言及は夙によく知られているが、著者はより具体的に、2013年に初めて刊行...
2019年9月9日読了時間: 3分
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